3PH洗車に物申す

最近、一部の洗車専門店で

「3pH洗車は塗装にダメージを与えるため採用しない」

という趣旨の記事を目にしました。

私は、この考え方には異なる見解を持っています。確かに、アルカリ洗剤や酸性洗剤は使い方を誤ればリスクがあります。

しかし、それは中性以外を使うこと自体が問題なのではなく、洗剤の種類・濃度・接触時間・コーティングの有無・特性を理解していないことが問題です。
酸性と言ってもpH1〜3、弱酸性で4〜6。弱アルカリの8〜10、それ以上のアルカリでも、水で薄めてpH値が変わらずとも薄める事で効果を遅らせたり、高圧洗浄機でしっかり落とす、シャワー流水のみかで大きく変わります。

そして、中性シャンプーだけでは落としきれない油汚れや交通汚染膜は少なくないどころか"とても多い"のです。 
コーティング後、専門店がメンテナンスを推奨するのもこのような理由があります。

洗車専門店のコストとリスク回避を追求した洗剤では洗浄力は期待できない事もあります。
単価が低く、お客様をお待たせしない事も求められるため、時間とリスクがかかる3Ph洗車は歓迎できないのです。
当店も色々な洗剤を試しましたが、業務用の中性洗剤は基本的に泡立ちがよく、水切れが良いことのみ考えられていて洗浄力は台所洗剤よりも劣るものがほとんどでした。
なぜなら、油汚れは中性洗剤では分解せず"隙間に入って油分を動かし落とす"からです。

当店でもどんなコーティングが施工されているかわからない、施工年数、普段の保管状況もわからないまま3PH洗車は行いません。怖くてできません(笑)
基本的に当店でコーティング施工していただいたお客様にのみ施工するメニューです。
もちろんキーパーコーティング施工車には水洗いかウルトラ優しい中性洗剤洗車です。

そして中性洗剤洗車後、その状態のままシリコン系や簡易コーティングを施工しても、汚れの上に保護剤を重ねているだけになる場合があります。その場の見た目は綺麗になりますが、「洗車」と「普段落とせない汚れを落とす」ことの違いを知っていただければ幸いです。
洗車専門店で定期的にいつもの簡易コーティングを施していれば中性洗車後、前回の簡易コーティングが残っていて上塗りが簡単なのも3PH洗車をお勧めしない理由の一つです。


一方で、アルカリ洗剤には注意すべき点もあります。

例えば、キーパーコーティングのレジン層のようにアルカリ耐性が高くない被膜では、洗浄によって性能を低下させる可能性があります。というか、ほぼ落ちます。当店で実証を重ねています。

だからこそ重要なのは、

「アルカリだから危険」「酸性だから危険」ではなく、どのコーティングに、どのケミカルを、どの濃度で使用するか。」

プロであれば、その判断ができなければなりません。

「3Ph洗車は塗装に悪いからやらない」という説明だけでは、技術的には十分とは言えません。

お客様のお車が現在どのような状態なのか。

どんなコーティングが施工されているのか。

どの汚れを落とし、どの汚れは残すべきなのか。

そこまで説明し、適切な施工方法を提案できるお店に、大切なお車を預けていただきたいと思います。

ちなみに、エンブレム周りや塗装部に歯ブラシを使うようなお店は避けた方が賢明です。